フリーランス翻訳者から広がるキャリアビジョン ~翻訳者インタビュー Vol.1~

山根 英彦(31歳)

マーケティング部 プランナー

翻訳者年数:5年3ヶ月

現在どのような翻訳に携わっていますか?

主にIT製品やマーケティング文書、企業のオウンドメディアコンテンツなどの英日翻訳を行っています。以前ITベンチャー企業でSNSマーケティングを行っていたこともあり、SNSコンテンツの翻訳も手掛けています。

クライアントは翻訳会社や広告代理店が多く、ソースクライアントから直接ご依頼いただくこともあります。私が以前在席した会社から、独立後に継続して仕事を依頼いただいているというケースもいくつかあります。

翻訳者として働き始めたきっかけは何ですか?

学生の頃からフリーランスとして仕事をすることを考えており、どの業界や職種からそれが実現できるかということを在学中に考えていました。

そんな中である時翻訳者という仕事を知りました。翻訳者はフリーランスとして活動されている方が多いこと、学生時代の学部が英文課で英語が好きだったこと、文章を読んだり書いたりすることが好きだったことから「これだ!」と思いました。

そこから翻訳者になるための方法を色々と調べ、在学中にダブルスクールで翻訳の専門学校に行くなどして勉強をしていました。大学を卒業してすぐにフリーランスになると決めていたので、新卒での就職活動は行いませんでした。

ただやはりいきなりフリーランスとして翻訳の仕事を得るのは難しいと思ったので、翻訳案件の紹介サービスで見つけた翻訳会社でのアシスタント職を経て、2年くらいで社内翻訳チェッカーの仕事や個人での翻訳の仕事を請け負えるようになりました。

翻訳者になるためにどのような学習をしましたか?

最初は1年ほど翻訳学校に通い翻訳の基本的な考え方を学ぶとともに英文読解や文章表現の学習をしていました。

気になった英語の文章をWebなどで見つけては自主的に翻訳したりもしていました。翻訳会社で働き始めた頃も通信講座でIT翻訳専門の講座を受講していました。また、新規にお仕事をいただくためにTOEICスコアを上げたりトライアルを受け続けたりしていました。

仕事をいただけるようになってからはトライアルを受けたりすることは減りましたが、仕事で関わる分野について情報収集をしたり、マーケティングやライティングのセミナーに通ったりしています。

フリーランスの翻訳者は常にスキルアップや情報収集を続けている人が多いと思います。私自身も知らないことを知るのが好きなので、勉強というより好奇心で色んなことを知るように、それもなるべく英日両方の言語で行うよう心掛けていますね。

翻訳の仕事のやりがいは何ですか?

まずはクライアントの要望に沿ったものがしっかりと出来上がった時にやりがいを感じます。私が翻訳している分野はIT製品やマーケティング文書など、クライアントからエンドユーザーへのメッセージが大きく反映される分野です。

日本語としての美しさや翻訳としての完成度が大切なのはもちろんですが、「クライアントは翻訳したテキストで何を伝えたいか」ということを常に考えながら翻訳しています。

いわゆる「ローカライズ」を行う際は必ずしも原文をそのまま別の言語に移し替えることがクライアントの目的にとって適切とは限りません。エンドユーザーの求めるものを意識しながらクライアントのメッセージを適切な形にして届ける、そのためにはクライアントとのコミュニケーションが重要になるのですが、そのプロセスも含めてやりがいを感じます。

翻訳するということよりも言葉を作ることが好きなのかもしれません

翻訳の仕事で大変なことは何ですか?

翻訳の要件定義というか、クライアントがどんな翻訳を求めているのかを明確にすることですね。ユーザーが読むのか、クライアントの社内文書なのか、掲載媒体は何か、読んだ人にどんな気持ちになってほしいのかなど、訳文を決める際に考慮すべきことはたくさんあります。用語の指定はもちろん、文体や訳し方にも注意を払わなくてはいけません。そのためのコミュニケーションを事前にどれだけ綿密に取るかということが大変ですが、非常に重要な点だと思います。

あとはいかにミスなく、速く訳せるかというバランスを追求するのも大変です。フリーランスの場合は納品前にチェックできるのが自分だけなので、まず全体を早めに訳してチェックやリサーチに時間をかけるなどしています。一つの英文の解釈に時間がかかり過ぎるとまったく翻訳が進まなくなることもあるので、そういう時はまず全体像を掴んでから細部をしっかりと訳すようにしたりしています。

今後のキャリアビジョンについて教えてください

フリーランスとして、翻訳の仕事を今後も続けつつも、言葉でコミュニケーションを作ることを軸にした仕事をパラレルキャリア的に広げていきたいと思っています。

現在は日本語でのライティングの仕事や事業企画のコンセプト作り、SNSマーケティングやインバウンドマーケティングの仕事にも携わっています。言葉を通じて人と人をつなぐことがこれからも自分の仕事のコンセプトになっていくと思います。

翻訳者を目指す方にアドバイスをお願いします

なぜ翻訳者になりたいと思ったのか、その原点を忘れずに学習や仕事を続けていくことかなと思います。英語が好きだからなのか、文章を書く仕事がしたいからなのか、働き方を自分で選びたいからなのか、など。自分にとって大切なものは何かということに向き合うことが大切だと思います。

それを忘れずにいれば、実現の方法は色々あることに気づいたり、自分の知らなかった分野への興味が湧いてきたりするかもしれません。そうなったら学習も仕事も楽しくなってくると思います。