これまでの知識と経験を経験を生かしてフリーランスに~翻訳者インタビュー Vol.2~フリーランス翻訳者N.K様

N.K様

現在どのような翻訳に携わっていますか?

主に半導体および関連製品のデータシート、マニュアル、ニュースリリースなどの英文和訳です。納期は様々で、小さな案件で急ぐものは1日という場合もありますが、数日から1週間程度が多いです。

まれですが1か月近くのものもあります。半導体関連以外の分野では、風力発電、設計ツールなどに関するものもありました。変わったところでは海外の観光案内ビデオの字幕翻訳も。

観光案内には無味乾燥なデータシートとはまた違ったスキルが必要と思いましたが、色々な分野のことを調べながら作業するのも楽しいです。

翻訳者として働き始めたきっかけは何ですか?

それまで勤めていた半導体製造会社がひどい経営不振に陥り、6年前、54歳で早期退職しました。前の会社では、元々は半導体の設計に携わっていましたが、後の方は収益管理や経営資料の作成など事務的な仕事を主に行っていました。

別の会社に再就職して同様の仕事に就くよりも、今度は会社にあまり依存しない方法はないかと思い、これまでの半導体分野のいくらかの知識を使って実務翻訳ができないかと考えました。

たまたまある翻訳会社のウェブサイトで半導体関連のトライアル募集を見つけて応募したのがきっかけです(まだまだとても一人前の「翻訳者」と呼べるようなものではありませんが)。

翻訳者になるためにどのような学習をしましたか?

実務翻訳の通信添削コースを数か月受講したり、実務翻訳に関する参考書を何冊か読みました。通信添削では、自分の訳を第三者が評価してくれるのでモチベーションを保つことができて良かったと思います。

また、インターネット上では、多くの専門家やベテラン翻訳者の方が文法や用語の使い方について詳しく紹介しておられるので、その都度参考にさせていただいています。

現在では、実際のお仕事でいただくクライアントからのフィードバックを拝見するのが何より勉強になります。

翻訳の仕事のやりがいは何ですか?

お客様に満足していただけるような仕事はなかなかできていないと思いますが、それでもある程度継続的にお仕事をいただけるということは、この仕事を通じてわずかでも社会とつながっているということであり、私にとっては貴重なことだと思っています。

どうも訳しにくい英文に出会ったときに、自分が持っている最大限の語彙や知識を総動員して分かりやすい(と思われる)文章を思い付いた時は(めったにありませんが)達成感があります。

フリーランスの場合、一件ごとにいくらでお仕事を請け負うわけですが、そのことで自分がやっている作業が実際に価値を生んでいることを実感するということもあります。

翻訳の仕事で大変なことは何ですか?

私は元々英語の専門的な教育を受けたわけではなく語彙や文法の知識が乏しいため、翻訳作業に時間がかかってしまいます。誤訳も多いと思います。

それでも何とかやっていられるのはインターネット上で辞書や文法の解説を簡単に参照できるからです。本当にありがたいことです。仕事の進め方という面では、メールでのやり取りが基本で、クライアントの担当者の方とも実際にお会いする事はめったにありません。

忙しい東京から離れて私の方は地方で一人で作業しているので、気持ちまで離れてしまわないように気を付けています。

今後のキャリアビジョンややりたい仕事について教えてください

今後もお仕事をいただくことができ、それを元気にこなす事ができればそれ以上ありがたいことはありません。少しでも品質を上げてお客様に満足していただけるように日々の作業を積み重ねていきたいと思っています。

また、特に半導体分野にこだわらず、機会があればどんな分野にも積極的に取り組みたいと思います。

翻訳者を目指す方にアドバイスをお願いします

私と同じような中高年の方が新たに翻訳の仕事を目指す場合、事前に勉強して実力を付けるといっても我々中高年は残り時間が限られていることでもあり、実際には難しいのではないでしょうか。

得意分野でなるべく早くトライアルを受けて、運良く受かったら後はOJTで少しずつ実力を付けるというのが現実的なのではと思います。

これまで長年仕事や趣味で得た知識や経験を直接反映できる分野があれば間違いなく有利ですので、これまで積み重ねてきたものを最大限に活用することをおすすめします。